追憶の花園

見上げる白は 昨日のままで
動かない体 一人の夜更け
温もり求め 鏡を覗く
乾いた土には 芽吹かない種

林檎の香り 惑わされては
冷たい銀に 手を触れてみる
同じ温度の わたしの心
指の先から 崩れてく

涙に沈む 青い羽
絵本の端を 歪めてく
明日命が 尽きていい
温かい場所に 帰れるのならば


明けない夜を 幾度と数え
閉ざされた部屋に 雨音ポツリ
霞む視界で 暗闇歩く
息の仕方さえ 忘れてしまう

昔に聞いた おとぎ話と
幸せ奪う 赤い目の魔女
同じ姿の 私に問えば
鏡の向こう 花開く

憧れに散る 青い羽
優しい声が 遠ざかる
今日を生きてく 苦しみが
永遠に続くなら 枯れてしまいたい


鏡が語る 真実に
崩れ始める 白い影
目を反らしてた 愛はまだ
あの場所で独り わたしを呼んでる


花園に待つ 青い鳥
幸せはずっと すぐ傍に
導きの空 見えるまで
繋いだ手はもう 決して放さない
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